Menu

たくさんの人の言葉を紡ぐメディア 文賢マガジン

「突然夫から農家になると言われて戸惑っています」という悩みへの田口ランディさんのアンサー

2020/01/21 2020/01/21 文賢マガジン編集部 「突然夫から農家になると言われて戸惑っています」という悩みへの田口ランディさんのアンサー

「あっ、それってそう考えればいいんだ!」
世の中の悩める人たちに、言葉の紡ぎ人がアドバイスするリレー連載「わたしのアンサー」。

第4回のゲスト回答者は、第2回のお悩みにも回答いただいた小説家の田口ランディさんです。

会社勤めをしていた夫から突然、「地方に移住し、農家として生きたい」と言われて戸惑っている女性の相談に回答いただきます。

お互いが納得するためには、どんな風に話し合えばよいのでしょうか。
ランディさんから、夫婦で話し合うときのコツを教えていただきました。

相談

大手メーカーに勤めていた夫が、「仕事を辞めて田舎で農家になる」と言い出しました。
4年前から地方のとある場所に畑を借り、野菜作りを趣味にしていましたが、それがどんどん本格的になり、脱サラをして農家になる夢を見ていたようなのです。

そんな人生プランを描いていたなんて、寝耳に水。
今後の生活のことが心配ですし、私は田舎より住み慣れた東京で暮らしたいです・・・。

夫と私は、ともに50歳。
大学生の娘と、高校生の息子がおります。
彼らの学費のことも、気がかりです。

どうにか先延ばしにしてもらいたいのですが、どのように説得をしたらいいでしょうか。

(50代・パート・女性)

いきなり配偶者から脱サラを告げられたら……私なら怒ります。
先延ばしにしてもらいたい、と説得の方法を悩んでいるあなたはとても思慮深く、ご主人を信頼しているのだなと感じました。

私の周りには「お互いの生活スタイルが違う」ことを理由に、別居結婚生活をしているご夫婦がわりとたくさんいます。

特にご主人が田舎に住み、奥さんが都会で働くパターンはよく見かけます。
昔は、妻は夫に従うものでした。
最近は、将来のことを夫と考える女性が増えてきたのだと思います。
別居しているからと言って夫婦仲が悪いわけではなく、むしろ、とても仲が良いです。

ここで提案です。
ご主人は大手メーカーにお勤めということですから退職金はそれなりにおありでしょう。
たぶん、教育費や当面の生活は退職金でどうにかしようと考えておいででしょう。
奥さまは「だったら別居して、あなたは農業に専念してみてはどうか?」と切り出してみてはいかがでしょうか。

最大限に愛情をもって優しく伝えるのがポイントです。
「あなたの決意はわかった。だからあなたの夢を大切にしたい。でも、じぶんや子どもの生活も大切にしたいの」と。

もし、ご主人が田舎暮らしの甘い夢を見ていたのであれば、一人で田舎に暮らし農業をやっていくという厳しい現実にビビるかもしれません。
あるいは、ご主人が「わかった、オレは一人でも夢を追いかけてみるよ」とおっしゃるのであれば、それは本当に自分の人生を賭けたチャレンジでしょう。

その話し合いには必ずお子さんにも同席してもらってくださいね。
夫婦がお互いの意見をしっかり言い合う姿を見ることで、お子さんたちも自分の生き方を考えるきっかけになると思います。

家族で話し合いをするうちに、それぞれの思いがぶつかりあい、予想しなかったような化学反応が起こり、まったく新しい道が拓かれていくことはよくあるんですよ。
人間って説得されるのはあまり好きではありません。
むしろ、応援しつつ、奥さまご自身の意見をはっきり言うことで、思いは伝わると思います。

ご主人がどんな反応をされるのか、楽しむ気持ちでトライして下さ〜い。

回答してくれた人

田口ランディさん

田口ランディ(たぐち・らんでぃ)

1959年生まれ。作家、エッセイスト。2000年『コンセント』で作家デビュー、2001年『できればムカつかずに生きたい』で婦人公論文芸賞受賞。著書に小説『アンテナ』『モザイク』『富士山』『被爆のマリア』『キュア』『蠅男』、エッセイに『忘れないよ! ヴェトナム』『ひかりのあめふるしま屋久島』『神様はいますか?』『寄る辺なき時代の希望』『パピヨン』『生きなおすのにもってこいの日』ほか多数。

代表的な執筆作品

リレー連載「わたしのアンサー」

タグ

関連記事

視点が変わる、言葉が変わる
そして、世界が変わる

文賢は、新しい「文章作成アドバイスツール」です。
あなたも「言葉」の可能性を体験してみませんか?

Page Top