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承知や了解はいつ使う?「わかりました」を言い換える3つの敬語表現

2022/11/30 文賢マガジン編集部 承知や了解はいつ使う?「わかりました」を言い換える3つの敬語表現

この文章は文章作成アドバイスツール「文賢」で
チェックし、作成しました。

こんにちは、文賢マガジン編集部です。

ビジネスシーンでは、敬語表現を適切に使えるスキルが求められます。
なかでも、「わかりました」を意味する「承知しました」「了解しました」などの敬語表現は、使用機会が多いため必ず押さえておきたいものです。

この記事では「わかりました」の敬語表現について取り上げ、適切な使い分けとあわせて解説します。

1.「わかりました」を丁寧に表す3つの敬語表現

相手に「わかりました」と伝えたい時に使える敬語表現としては、主に以下の3つが挙げられます。

  1. 「承知しました」「承知いたしました」
  2. 「了解しました」「了解いたしました」
  3. 「かしこまりました」

これらは、意味や敬語の種類などの面で少しずつ違いがあるため、適切な使用シーンも異なっています。

フレーズごとの使い分けは以下のとおりです。
相手との関係性によって、適切なフレーズが異なります。

「わかりました」の言い換え一覧

それでは、それぞれのフレーズを見ていきましょう。

【依頼や命令を聞き入れるときに使う】
承知しました/承知いたしました

まずは「承知」を使った敬語表現と使い分けを説明します。

「承知」の意味

「承知」は「相手の依頼・希望・命令などを聞き入れること」という意味で使われる単語です。

しょうち(承知)

  1. 相手の依頼・希望・命令などを聞き入れること。
  2. くわしい内容や事情をよくわかっていること。存知。
  3. <「承知しない」の形で>許さない。勘弁しない。

「承知」に丁寧語の「しました」をつなげると「承知しました」という丁寧語の表現になります。
また、謙譲語の「いたしました」をつなげれば「承知いたしました」という謙譲語の表現になります。

ここで押さえたいのが、「承知」の言葉自体には謙譲の意味合いは含まれていないことです。

「承知しました/承知いたしました」は、丁寧語の「しました」や謙譲語の「いたしました」をつなげることで、敬語表現として成立しています。

「承知しました」と「承知いたしました」の使い分け

それでは「承知しました」と「承知いたしました」の使い分けについて説明します。

「承知しました」
・丁寧語で、相手との関係性にかかわらず丁寧な気持ちを表せるフレーズです
・ビジネスにおいても、お客さまや取引先、上司とのやりとりを含め、さまざまな場面で使えます

「承知いたしました」
・謙譲語で、相手を高めて敬意を表する意味合いのあるフレーズです
・お客さまや取引先、上司など、敬意を明確に表現したい相手に対して使うのに向いています

なお、単に「承知しました」「承知いたしました」とだけ書くよりも、「何を」承知したのかを明らかにするような書き方をすると、内容を確実に理解したことを伝えられてよいでしょう。

とくに電子メールの場合、相手は多くのやりとりをしている可能性があるため、以下の例文のように「何を」承知したのかを明確にして伝えると親切です。
このことは、この後に説明する「了解しました/了解いたしました」や「かしこまりました」でも同様に言えます。

【例:会議の日程を知らせる上司からのメールに対する返信】

鈴木部長


お疲れさまです。
営業会議の日程のご連絡ありがとうございます。
10月5日(水)の14時から開催とのことで、承知いたしました。


営業部 佐藤

【物事への理解を表すときに使う】
了解しました/了解いたしました

続いて「了解」を使ったフレーズについて、説明していきます。

「了解」の意味

「了解」には「物事の意味・内容・事情などを理解すること」や「理解した上で承認すること」といった意味があります。
意味合いとしては「承知」と共通する部分が多く、「承知」と比べると、相手の言っている内容や事情についてきちんと理解したことを明らかにする、というニュアンスが強いです。

りょうかい(了解)

  1. 物事の意味・内容・事情などを理解すること。
  2. 理解した上で承認すること。承知・承諾すること。
    【使い方】依頼や申し入れを受け入れることに力点を置く場合は「承知」を、内容や経緯をきちんと理解したことに力点を置く場合は「了解」を使うのが適切。「了解しました」という言い方で敬意が足りないと感じるときは、「了解いたしました」という丁重な言い方をする。
  3. 無線通信で、通信内容を確かに受け取ったことを表す語。

表現のバリエーションは「承知」と同様です。

「了解」に「しました」をつなげれば「了解しました」という丁寧語の表現になります。
また、「いたしました」をつなげることで「了解いたしました」という謙譲語の表現になります。

「了解」は無線通信のやりとりで使われる用語であることから、ぞんざいな印象を受ける人もいるようです。
そのため、目上の人に対して「了解」を使うことは避けたほうが無難といえるでしょう。
詳しくは、記事後半部の「了解」を目上の人に使うのは失礼?で説明しています。

「了解しました」と「了解いたしました」の使い分け

「了解」の敬語表現は「承知」と同じ構造です。

「了解しました」は丁寧語なので、相手との関係性にかかわらず丁寧な気持ちを表すのに使えます。
「了解いたしました」は謙譲語であるため、相手を高めて敬意を表する意味合いがあります。

以下のように、同僚や部下に対しては「了解しました」で問題ないでしょう。

【例:会議の日程を知らせる部下からのメールに対する返信】

田中さん


お疲れさまです。
営業会議の日程のご連絡ありがとうございます。
10月5日(水)の14時から開催とのことで、了解しました。


営業部 佐藤

「了解しました」も十分に丁寧な表現ですが、さらに敬意を強めたいときは「了解いたしました」を使うと、より丁重な印象になります。

【強い敬意を表すときに使う】
かしこまりました

「かしこまりました」は「わかりました」や「承知しました」の謙譲語であり、強い敬意を表せる言葉です。
「承知いたしました」と同様に、お客さまや取引先、上司など、敬意を明確に表したい相手に使うのが適切です。

かしこまりました(畏まりました)

●命令・依頼・希望などをつつしんで受ける意を表す。承りました。

【使い方】「分かりました」「承知しました」「承りました」などの類語がある中で、最も敬意の度合いが高い。

なお、漢字表記の「畏まりました」ではなく、ひらがな表記の「かしこまりました」のほうがマナーとしては正しいという風潮があります。

これは「畏」という漢字が比較的見慣れないものであり読みにくいことや、「畏」には「おそれる」という意味があり、堅い印象を与えてしまうといった考え方があるためです。
文面上では「かしこまりました」とひらがなで書くほうが無難でしょう。

【例:会議の日程を知らせる取引先からのメールに対する返信】

○○株式会社 鈴木様


お世話になっております。
会議の日程につきまして、かしこまりました。
それでは10月5日(水)の14時にお伺いいたします。
どうぞよろしくお願いいたします。


株式会社●● 営業部 佐藤

2.「了解」を目上の人に使うのは失礼?

目上の人に対して「了解」を使うことは避けたほうが無難です。

なぜなら近年、「了解」を目上の人に使うことは不適切だと捉えられる風潮があるからです。
実際に、マナー本などでもそのように解説されているケースが存在します。

ただし、「目上の人に対して避けたほうが無難」というのは、あくまで風潮の話です。
文法的に「了解」は「承知」と同様の敬語表現として使うことが可能であり、問題ありません。

とはいえ、文法的には問題ないとしても、言葉を受け取った相手に違和感を与えてしまう可能性がある以上は、目上の人に対して「了解しました/了解いたしました」を使用するのは避けたほうが無難だといえます。

お客さまや取引先、上司などに対しては「承知いたしました」や「かしこまりました」を使うとよいでしょう。

まとめ

「わかりました」を伝える敬語表現の使い分けは、以下のようにまとめて覚えておくとよいでしょう。

「わかりました」の言い換え一覧

また、「●●の件につきまして、承知いたしました」といったように「何を」わかったのかを明らかにする書き方をすると、より親切な返答になります。

「承知しました」や「了解しました」「かしこまりました」といったような日常的に使い慣れているフレーズこそ、実は文法的な構造や本来の意味合いを深くは理解していないものです。
日頃からそういった点を意識して言葉を使い分けるようにすると、敬語力のベースアップにつながります。

文賢マガジン編集部文賢マガジン編集部

とはいっても「了解」のように、文法的には正しくとも実際には「不適切・マナー違反」と捉えられてしまうケースも。
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この記事を執筆した人

小石原

小石原誠(こいしはら・まこと)

1988年生まれのWebライター。
民間企業にて公共事業のプロポーザル業務に従事後、フリーランスとして独立。
企業のオウンドメディア等コンテンツマーケティングに関わるライティングや、会社代表などキーパーソンへのインタビュー記事の執筆もおこなう。
最近気になっている言葉は「コンテクスト」。
Facebook:makoto.koishihara

文賢マガジン編集部

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