この文章は文章作成アドバイスツール「文賢」で
チェックし、作成しました。
「このお願いの仕方は、ビジネスシーンで失礼にならないかな・・・」
「取引先に快く依頼を引き受けてもらえるメールの書き方を知りたい・・・」
こんにちは、文賢マガジン編集部です。
今回は、ビジネスシーンで物事を「お願い」するときの敬語表現を取り上げます。
ビジネスにおいて、誰かにお願いするシーンはたくさんありますが、お願いは相手に負担をかけることもあります。
だからこそ、相手への気遣いを忘れず、丁寧に依頼することが大切です。
失礼な言い回しや誤った敬語で依頼してしまうと、相手を不快な気持ちにさせてしまい、仕事が円滑に進まないことも。
たとえば、取引先や上司に何かをお願いするときに、以下のようなメールを送っていませんか?
先日お伝えした書類を送付してください。
「~してください」は一般的な表現ですが、人によっては、一方的に指示をされているようで少し冷たい印象を受けるかもしれません。
相手に丁寧な印象を与えながら受諾してもらうためには、「お願いいたします」「〜していただけますか」などの敬語表現をうまく使いましょう。
さらに、以下のお願いメールの書き方4つのポイントを押さえれば、ビジネスで物事をお願いするときに迷うことはなくなります。
本記事で詳しく解説しますので、ぜひチェックしてください。
今すぐ使える、依頼メールの例文もシーン別に紹介します。
相手に快くお願いを受け入れてもらえるよう、丁寧な敬語を使い、依頼のポイントを意識しましょう。
「お願い」を敬語で伝える表現は?
相手との関係性を問わずに使える基本的な表現は「お願いします」です。
【例】先日お伝えした書類の送付をお願いします。
「します」は「する」の丁寧語で、敬意を感じさせつつも、尊敬語や謙譲語に比べるとフラットな印象を与えます。
そのため、どのような関係性の相手にも使いやすく、失礼にならない表現です。
さらに丁寧さを加えた表現として「お願いいたします」「お願い申し上げます」などがあります。
「いたす」は「する」の謙譲語、「申し上げる」は「言う」の謙譲語です。
そのため、丁寧語の「お願いします」よりも、へりくだった印象を与えられます。
ここからは、目上の人に物事をお願いするときや、関係性の浅い相手へ依頼メールを送るときに適した表現を紹介していきます。
「お願い」の便利な言い換えフレーズ
敬語で何かを依頼したいときは「お願いします」と書けば、基本的に問題ありません。
しかし、何度も「お願いします」ばかり使っていると、単調な印象やくどい印象を与えてしまいます。
お世話になっております。
先日お伝えした書類の送付をお願いします。
〇月〇日までに送付お願いします。
それではよろしくお願いします。
メリハリのある読みやすい文章を書くには、さまざまな表現のバリエーションを知っておく必要があります。
「お願いします」を言い換えたいときに便利なフレーズを3つ紹介しますので、ぜひ使ってみてください。
1.「お願い」を「ご依頼」に変える
ご依頼申し上げます
「ご依頼」は「お願い」と似た意味をもっているため、言い換え表現として使えます。
ただし「お願い」は家族や友人などの関係でも広く使われるのに対して、「依頼」はビジネスの場面で使われることが多い表現です。
そのため、「ご依頼」のほうが少し堅い印象で、かしこまった表現といえます。
なお、「依頼」は自分自身の動作を指すため、接頭語の「ご」を付けて「ご依頼」と書いてよいのだろうかと疑問に思う方もいるかもしれませんが、自分の動作やものごとであっても、それが「向かう先」を立てる場合は「ご」を付けてOKです。
たとえば以下の例文の場合、「依頼」が向かう先は取引先のため、取引先を立てるために「ご」を付けて問題ありません。
提案いただいたプランのうち、Cプランでご依頼いたします。
先日購入した商品について、領収書の発行をご依頼申し上げます。
2.問いかけの形にする
~をお願いできますか
~をお願いしてもよろしいでしょうか
語尾を問いかけの形に言い換えると、こちらの依頼に対応してもらえるか確認するようなニュアンスになります。
「~してください」「お願いします」などに比べると一方的な印象が弱まるため、より丁寧にお願いしたい場合に使うとよいでしょう。
新しい記事に掲載する画像の作成をお願いできますか。
来週、先方に提出する予定の資料の確認をお願いしてもよろしいでしょうか。
なお、お願いの場面でよく使われる「~できますでしょうか」は、「できる」の丁寧語「できます」と、「だろうか」の丁寧語「でしょうか」を組み合わせた二重敬語です。
回りくどさもあって快く思わない人もいるため、避けたほうがよいでしょう。
3.「~いただく」を使う
~いただけますと幸いです
~いただきたく存じます
「いただく」は「もらう」の謙譲語です。
「いただく」に「~してもらえるとうれしい」「~してもらいたいと思う」を意味する敬語をつけることで、少し遠回しですが、柔らかい印象で伝えられます。
また、以下のように「いただく」の語尾を問いかけの形にすることも可能です。
~いただけますか
~いただけないでしょうか
「いただく」を使うことで、直接的に依頼を伝える他の表現に比べて、より謙虚な印象な印象になります。
30分ほど、オンラインでお打ち合わせの時間をいただけますと幸いです。
ぜひ次回の講演会に登壇していただけないでしょうか。
取引先や上司にお願いするときのメールの書き方4つのポイント
ここからは、実際に敬語を使ってお願いや依頼をするときに注意したいポイントを4つ紹介します。
【ポイント1】
お願いしたい内容と理由を簡潔に伝える
メールなどで何かをお願いするときは、まず簡潔に依頼内容を伝えます。
目上の人などに対して失礼がないように意識しすぎると、前置きの文章を長く書きすぎてしまうことが多いです。
しかし、回りくどい文章は内容を読み取るのに時間がかかります。
相手に余計な負担をかけないためにも、お願いしたい内容がパッと見てわかるように書きましょう。
また、対応に迷わせないよう、何をどのようにしてほしいのか具体的に書くことも大切です。
依頼の理由や背景によって対応が変わる場合もあるため、なぜお願いしたいのかも書いておくとよいでしょう。
本日はバナー変更に関するお願いでご連絡いたしました。
現在、貴社サイトに掲載しているバナーを、本メールに添付している新しいバナーに差し替えていただくことは可能でしょうか。
【ポイント2】
依頼の対応期限を明確にし、対応の優先度を伝える
何かを依頼する時には「〇月〇日の〇時までにお願いします」といった形式で、明確な期限を伝えることです。
依頼する側から勝手に期限を決めるのは申し訳ないと感じる人もいるかもしれません。
しかし、依頼を受けた側は期限がわからないと、急ぐべきなのか、じっくり考えてもよいのか、対応の仕方に困ってしまいます。
期限の記載がなかった場合、優先度が低いと捉えられ、そのまま忘れられる可能性もあります。
まずは自分から期限を提示して、難しい場合の補足を記載しておきましょう。
お忙しいところ恐れ入りますが、今週〇月〇日(〇)の15時までにお返事をいただけますと幸いです。
もし、期限までの返信が難しそうな場合は遠慮なくおっしゃってください。
【ポイント3】
クッション言葉とセットにする
依頼内容と期限を明確に伝えようと意識すると、一方的で冷たく感じる文章になってしまうことがあります。
そのようなときに便利なのが、以下のようなクッション言葉です。
- お手数をおかけしますが
- ご面倒をおかけしますが
- お忙しいところ恐れ入りますが
- ご多忙中と存じますが
- こちらの都合で恐縮ですが
- 無理なお願いをして申し訳ありませんが
- ご迷惑でなければ
- 差し支えなければ
- ご都合よろしければ
- もし可能であれば
相手の負担を気づかうクッション言葉をお願いの前につければ、一方的な印象を緩和できます。
こちらの都合で恐縮ですが、明日の打ち合わせを14時からに変更していただいただけないでしょうか。
ただし、クッション言葉の使いすぎには気をつけましょう。
回りくどくて依頼内容が伝わりにくかったり、へりくだりすぎて重要性が低いと判断されたりする可能性があるからです。
【ポイント4】
相手との関係性によって表現を変える
敬語は丁寧であればあるほどよい、というものでもありません。
相手との関係性によっては、丁寧すぎる表現を使うと距離を感じさせてしまう場合があります。
たとえば、以下のような文は、取引先へのメールとしては問題ないでしょう。
誠に恐縮ですが、先日お伝えした書類をご送付いただけますと幸いです。
しかし、社内の同僚へのメールだと少し堅苦しい印象を受けないでしょうか。
取引先だとしても、あえて少しずつ敬語表現を崩していくことで、距離を縮められることがあります。
目上の人や初対面の相手と、親しい間柄の相手で敬語表現を使い分けられるようになれば、よりお願いを受け入れてもらいやすくなるでしょう。
ご都合のよいタイミングで、先日お伝えした書類をお送りいただけると嬉しいです!
(明後日の打ち合わせまでに書類を確認したく、明日中にお送りいただけると助かります!)
お願いメールの件名と例文
ここまで紹介してきた敬語表現やポイントを踏まえて、実際にどのような依頼メールを書けばいいのか、例文を見ていきましょう。
よくあるシチュエーションでの件名と本文の例を用意しましたので、ぜひ参考にしてください。
打ち合わせを依頼するメール
打ち合わせのアポイントを打診するときは、忙しい中で時間を作ってもらうことへの感謝を示しつつ、具体的な目的と日程を伝えます。
関係性が浅く、断られる可能性も考えられる場合は、まず目的を丁寧に伝えて商談が可能かを先に確認し、日程調整はその後でもよいでしょう。
件名:〇〇についてお打ち合わせのご連絡
株式会社◇◇
△△様
お世話になっております。
株式会社◆◆の▲▲です。
先日お話しした〇〇について、あらためてお打ち合わせさせていただきたく、ご連絡いたしました。
ご希望にあわせたプランと見積もりをお持ちして、詳細な内容をすり合わせできればと考えております。
もし可能であれば、以下の日程でご都合いかがでしょうか。
お打ち合わせ時間は、1時間ほどいただけますと幸いです。
・●月●日(●)●●:●●~●●:●●
・●月●日(●)●●:●●~●●:●●
・●月●日(●)●●:●●~●●:●●
上記日程でのご調整が難しい場合は、お手数をおかけしますが、△△様のご都合がよろしい日程をいくつかお知らせください。
お忙しいところ恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
見積書の送付を依頼するメール
見積書などの送付を依頼するときは、あまり長々とした前置きを書かず、簡潔に内容が伝わるようにします。
ただし期限を指定するときは、「こちらの都合で申し訳ありませんが」などを使い、無理を言っている印象にならないよう配慮しましょう。
件名:〇〇のお見積りのご依頼
株式会社◇◇
△△様
お世話になっております。
株式会社◆◆の▲▲です。
〇〇のお見積もりを依頼したく、ご連絡しました。
こちらの都合で恐縮ではございますが、●月●日(●)までに見積書の送付をお願いいたします。
今月末におこなう弊社の予算会議で検討する必要があり、急なお願いで申し訳ございません。
よろしくお願いいたします。
書類の確認を依頼するメール
確認の連絡をするときは、相手が忘れているかもしれないことをストレートに書くと、失礼な印象を与えてしまう可能性があります。
あくまでも念のため連絡したという形で、「入れ違いとなっていたら申し訳ございませんが」などを使ってお伺いするとよいでしょう。
件名:先日お送りした〇〇についてのご確認
株式会社◇◇
△△様
お世話になっております。
株式会社◆◆の▲▲です。
先日お送りした〇〇の資料は、ご覧いただけたでしょうか。
入れ違いとなっていたら申し訳ございませんが、念のためご連絡いたします。
〇〇の資料がお手元になければ、こちらのメールにも添付しております。
あらためてご確認いただけますと幸いです。
すでにご覧になっていた場合は、申し訳ありません。
ご多忙中と存じますが、●月●日(●)までにご返答お願い申し上げます。
よろしくお願いいたします。
まとめ
「お願い」を敬語で伝えるときの表現には、「お願いします」の他に「~をお願いしてもよろしいでしょうか」「~いただけますと幸いです」などがあります。
依頼に対して不快な気持ちにさせないためには、「お手数をおかけしますが」「差し支えなければ」などのクッション言葉をうまく使うのも重要です。
お願いを意味する敬語表現にはバリエーションがあり、それぞれ相手に伝わるニュアンスが少しずつ異なります。
相手との関係性や状況によって表現を使い分けられるようになると、失礼のない丁寧な依頼文を書きやすくなりますよ。
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敬語はビジネスの成果を下支えしてくれる大切なマナー。
敬語の使い方ひとつで商品サービスの購入につながったり、クレームの数が減ったりします。
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