この文章は文章作成アドバイスツール「文賢」で
チェックし、作成しました。
文賢マガジン編集部の森です。
この記事では、読みやすい文章にする推敲ポイントのひとつである「助詞」を取り上げます。
助詞とは、文中の言葉をつないだり、言葉に意味を付け加えたりする品詞です。
【助詞の例】
- 彼 は 本屋 に 行く
- 作家 の 彼 が 書いた本
- 図書館 で 本 を 借りる
助詞の使い方は「文章の読みやすさ」に大きく関係し、文中で「同じ助詞」を続けて使うと、読みにくくなってしまいます。
たとえば、以下のような文です。
- 今日 は 田中部長 は 定例会議 は 欠席します。
- 申請書 の 提出 の 期限 の 変更 の 依頼をします。
- 田中部長は 案件 を 成功させた鈴木さん を 昇格させること を 決めました。
上記の例文のように、一文の中で「同じ助詞」が続くと読みにくさを感じます。
読みやすい文章を書くためには、なるべく同じ助詞を続けない工夫が必要です。
ただし、以下の文のように、文脈によっては同じ助詞が続いてもそれほど違和感がない場合もあります。
そのため、読みにくさがなければ無理に書き直さなくてよいです。
【OK】弊社では、アクセス数の調査をツールを使って効率化しています。
推敲の際に、同じ助詞が続いて読みにくさを感じる場合は、以下の3つの方法に沿って見直してみましょう。
【同じ助詞を連続で使わないための3つの方法】
- 語順を入れ替える
- 助詞の組み合わせを変える
- 助詞を減らす
多くの場合は、上記の3つの方法を用いれば、同じ助詞の連続を解決できます。
文章を書いた際の推敲ポイントとして、お役に立てていただければ幸いです。
それでは、同じ助詞を連続で使わないための3つの方法について、例文を用いて紹介していきます。
【同じ助詞を連続で使わないための方法 その1】
語順を入れ替える
同じ助詞が続いてしまう原因の多くは、語順が適切でないことです。
話し言葉の流れで思いつくままに文を書くと、同じ助詞が不自然に連続してしまう場合があります。
この場合は、語順を入れ替えることで解決できるので、落ち着いて見直しましょう。
語順を入れ替えることで助詞が変わり、読みやすくなる例を見てみましょう。
以下の例文では、主語を先頭に移動させることで、使用する助詞が自然と変わり、同じ助詞の連続を解消しています。
●例文1
【Before】今日 は 田中部長 は 定例会議 は 欠席します。
【After】田中部長 は 今日 の 定例会議 を 欠席します。
もうひとつ、語順を入れ替えたほうがよい例を見てみましょう。
以下の例文のように、同じ助詞の連続が2回だけであっても、修飾語の位置によって読みにくくなるケースもあります。
そのような場合も、語順を入れ替えて助詞の連続を解消します。
●例文2
【Before】社長は 彼 を 事業 を 拡大するためにマネージャーに任命した。
【After】社長は 事業 を 拡大するため に 彼 を マネージャーに任命した。
このように、同じ助詞が連続して文の流れが不自然になっている場合は、語順が適切であるかをまず確認しましょう。
【同じ助詞を連続で使わないための方法 その2】
助詞の組み合わせを変える
同じ助詞を連続で使わないための2つ目の方法は、表現を工夫して助詞の組み合わせを変えることです。
2-1.「動詞表現」を「名詞表現」にして助詞を変える
たとえば「彼を呼ぶ」「彼が歩く」のように、助詞「を」「が」の後には、動詞(動詞表現)が続くことがあります。
この「動詞表現」を「名詞表現」になるように調整することで、助詞の組み合わせを変えます。
1.助詞「を」が連続する場合
助詞「を」が続く場合は、動詞表現「〜を(〜する)」を名詞表現「~の」に変更して、助詞を変えます。
上記の例では、動詞表現の「鈴木さんを昇格させる」を、名詞表現「鈴木さんの昇格」に変更して、助詞を変えています。
~ を (~する)
↓
~ の(名詞)
2.助詞「が」が連続する場合
助詞「が」が続く場合も同様に、動詞表現「〜が(〜する)」を名詞表現「~の」に変更して、助詞を変えます。
上記の例では、動詞表現「担当する案件」の「する」を省略して、名詞表現「担当案件」に変更することで、助詞を変えています。
~ が(~する)
↓
~ の(名詞)
「動詞表現」を「名詞表現」に変更すると、同じ意味でも文字数が少なくなり、読みやすさも向上します。
2-2.主語と述語の関係を変更して助詞を変える
主語と述語の関係を変更して助詞の組み合わせを変える方法もあります。
上記の例文では、以下のように主語と述語の関係を変更することで助詞を変えています。
能動態「A社は、セミナーを開催します」
↓
受動態「A社によって、セミナーが開催されます」
文の意味が変わらない範囲で主語と述語を調整し、助詞の組み合わせを変えてみるのも、ひとつのテクニックです。
【同じ助詞を連続で使わないための方法 その3】
助詞を減らす
同じ助詞を連続で使わないための3つ目の方法は、助詞を減らすことです。
助詞を削っても意味が変わらない場合は、削って減らしてもよいでしょう。
文中で削りやすい(減らしやすい)助詞は「の」です。
「の」は名詞をつなぐ役割で用いられることが多く、表現を工夫すれば、文の意味を保ったまま助詞を減らせます。
3-1.助詞「の」を削除して熟語にする
助詞「の」が続く場合、削除して熟語にできないか検討しましょう。
上記の例文では、2つの表現を熟語にして「の」を削りました。
- 提出の期限 → 提出期限
- 変更の依頼 → 変更依頼
このときに注意したいのは、ひらがなを省略することによって、文中の漢字の割合が多くなることです。
漢字の割合が多い文章は固い印象になり、読みにくさを与えることもあるので、文章全体の漢字のバランスを見て決めましょう。
3-2.「名詞表現」を「動詞表現」にして助詞を減らす
助詞「の」によって名詞が連続している場合、「〜が(〜する)」という動詞表現に変更することで、助詞を減らします。
上記の例では、名詞表現の「先輩の行きつけ」を、動詞表現の「先輩がよく行っている」に変更して、助詞「の」の連続を解消しています。
~ の(名詞)
↓
~ が(~する)
まとめ
ワンランク上の文章に磨き上げる推敲のポイントとして「同じ助詞を連続で使っていないか」を意識してみてください。
以下が「同じ助詞を連続で使わないための3つの方法」のまとめです。
【同じ助詞を連続で使わないための3つの方法】
- 語順を入れ替える
- 助詞の組み合わせを変える
- 助詞を減らす
会話をするような流れで文を書いたり、慌てていたりすると、語順が不自然になり、結果として同じ助詞が連続してしまうことがあります。
そのような場合は、この記事で紹介した「同じ助詞を連続で使わないための3つの方法」を参考に推敲してみてくださいね。
また、文章を書き終えたら、声に出して読んでみるのもオススメです。
音読することによって、視覚では気づけない不自然さを発見できることがあります。
チャットやSNSでのテキストコミュニケーションが多いと、会話をするように文章を書くクセがついてしまいますよね。
多くの場合は落ち着いて見直せば対処できるので、時間をおいてから推敲してみましょう。
文賢マガジンでは、これからも文章作成に関するノウハウを発信していきます。
次回以降の記事もお楽しみに。
同じ助詞の連続をサクッとチェックしたいなら、「文賢」を使うのがオススメです
文章作成アドバイスツール「文賢」の推敲支援は、文中の助詞をチェックします。
一文の中で同じ助詞が2回以上(※)続いている場合にハイライトされるので、推敲のポイントとして意識できます。
※一部の助詞は、3回以上続いている場合にハイライト
さらに「音声読み上げ機能」を使えば、自分で音読することなく、音声による確認が可能です。
文賢の使い方がよくわかる「オンライン説明会」を毎週開催中。
Zoomで気軽にご参加いただけますので、ご興味のある方はこちらをご覧ください。
また、公式サイトでは、文賢の活用法や導入事例を紹介しているので、以下のバナーからぜひチェックしてみてください。