「書いても書いても、ゴールが見えない・・・」
「この文章でいいか自信がない・・・」
文章の作成は底なし沼です。
書けば書くほど、深淵に足を突っ込んでしまい、何が正解かわからなくなる感覚をもつ方は多いでしょう。
私もそのひとりでした。
そんな私は、ある考え方を手に入れたことで、文章の作成に少し自信をもてるようになりました。
その考え方とは「ビジネスで求められる文章とは、説得力のある提案文である」というものです。
こんにちは、文章作成アドバイスツール「文賢」を手がける、株式会社ウェブライダー代表の松尾です。
このたび私は、アドビさんの「みんなの資料作成」という企画に参加することになりました。
この企画は、Adobe AcrobatオンラインツールのPR企画で、各ライターさんが資料作成にまつわるノウハウを共有し合うというものです。
今回、貴重な機会をいただきましたので、自分が15年間かけて体系化してきた、松尾式の「ビジネス文章作成ノウハウ」をまとめてみることにしました。
私が代表を務めるウェブライダーは、ビジネスの成果を上げるコンテンツ制作に強い会社です。
これまで数多くのコンテンツをプロデュースし、大きな成果を上げてきました。
そしてそのコンテンツ制作を支えてきたのが、この記事で紹介する文章作成ノウハウです。
先ほど私は 「ビジネスで求められる文章とは、説得力のある提案文である」といいました。
ビジネスで書かれる文章は、そのほとんどが、他者に何らかの行動を提案するために書かれるものです。
商品の訴求文には「この商品を買ってみませんか?」という購買提案が隠れていますし、顧客へのサポートメールも「この対策を試してみていただけませんか?」という提案が隠れています。
もちろん、それらの提案は相手にとって、受け入れる価値がなければいけません。
その価値を私は「お得要素」と呼んでいます。
「その提案を受け入れればお得だから」「その提案の先に得られるものがあるから」、そう感じたとき、人はその提案を受け入れます。
それは「納得」したという状態でもあります。
そして相手に納得してもらうために、自分の提案はお得であると伝える力、これこそが「説得力」だと私は考えています。
この記事では、「説得」や「納得」といった言葉の意味を独自に掘り下げ、ビジネスの現場で成果を上げるための文章作成の極意をお伝えします。
記事の前半では「心構え」を、後半では具体的なノウハウについて取り上げます。
また記事内で使用しているスライド資料は記事の最後にダウンロード可能です。
ぜひ最後までお読みください。
1.説得力とは「お得感」を説くこと
この記事のゴールは「説得力のある提案文」を書けるようになることです。
最初にお聞きしますが、あなたは普段、「説得力」を意識して文章を書いていますか?
この問いに答えていただくためには、そもそも「説得力」とは何かを説明できなければいけません。
誰もが使う「説得力」という言葉ですが、説得力とは一体どういう力を指すのでしょうか?
相手を説き伏せる力?
一方的に意見を伝える力?
どちらも違います。
私が考える「説得力」とはズバリ、相手が納得できるだけの「お得感」を伝える力です。
「説得」という漢字をよく見てみましょう。
この漢字は「説」と「得」という2文字で構成されます。
「説」を「説明する」という意味、そして「得」は「お得」という意味で捉えてみてください。
すると、説得という言葉は「その主張や情報がいかにお得かを説く(説明する)」ことだと定義できるのです。
つまり、説得力がない文章とは、その文章を読んでも、相手にとっての「お得感」がない文章だといえます。
では、ここでいう「お得感」とは何でしょうか?
10,000円の商品が5,000円になる、といった表現は明らかにお得に感じられます。
しかし、私が定義する「お得感」とは、そういった明らかな利益を表す「お得感」だけではありません。
私が考える「お得感」とは、知識や関心や自信を含め、何らかのポジティブな要素が得られる感覚すべてを指します。
「得」という言葉は、報酬を得るといった場合だけでなく、知識を得る、関心を得る、自信を得る、安心を得るといったときにも使われますよね。
あなたの話を聞いて、相手が「それは勉強になった」「それは役立ちそうだな」と思ってくれれば、あなたの話にはお得感があったといえます。
また、このお得感には、何か実用的な情報を得られたというメリットを感じる以外に「感動した」「心の中が温かくなった」といった情緒的な感覚も含まれます。
さらには「筋道が立った」「腑に落ちた」といった、理解の促進につながったという感覚もお得感です。
たとえば以下の表は、お得感を得られるタイミングをまとめたものです。
あなたの話に対して、相手からポジティブな反応を得られたのであれば、それはあなたの話が相手にとってお得だったといえるでしょう。
また、その話にはお得感があると感じたとき、人はその話を心の中に残しておこうと考えます。
そうして生まれる感情が「納得感」です。
納得という漢字は、「得」を「納める」と書きます。
よって納得感とは、その情報を心に納めてもいいなと思える感情のことを指します。
説得と納得との関係を図で表すと以下のようになります。
そう、納得感は説得されることで生まれるのです。
説得という言葉は「相手を説き伏せる」といったネガティブな意味に捉えられることが多くありますが、私は、相手の納得感を高めるために、相手にとってのお得な情報を説くという、ポジティブな意味で捉えています。
よって、説得は利他的な行為であり、けっして独りよがりの行為ではないのです。
むしろ、相手の気持ちを一番に考える、相手ファーストな行為なのです。
そもそも、相手のことを考え抜かないと、何が相手にとってお得かはわからないですものね。
そして、相手に納得してもらうには、自分の提案内容に、相手がお得と感じる要素がどれだけ含まれているかがカギとなります。
先ほどもお伝えしたとおり、あなたの文章を読んだ相手が、以下の表のような反応や相づちをすれば、それだけ相手にとって納得感の高い文章だといえます。
お得感に応じた反応や相づちの例
- 知識を得られる
なるほど、そうなんだ - 関心を得られる
へえ~おもしろいなあ、それは役に立つなあ - 自信を得られる
やっぱりそうだよなあ - 安心を得られる
それならホッとした、よしよし - メリットを得られる
それは良さそう!こっちのほうが良さそう!役立ちそう! - 利益を得られる
成功しそう!助かりそう!売上が上がりそう! - 閃きを得られる
そうか!こう考えればいいんだ!そうすればいいんだ! - 悟りを得られる
よし、すべてわかった - 同意する
わかるわかる、ほんとそれ、あるある - 共感する
うんうん、それっていいよね - 感動する
素敵だなあ、なんか良いわあ
一方、以下のような反応が多いと、相手が納得しづらい文章になってしまいます。
納得感を下げる要素への反応の例
- 不信感
本当にそうなの?信じていいの?怪しいなあ - 説明不足
もっと詳しく説明してほしい - 情報の欠如
欲しい情報がない、情報が十分じゃない - 不満
物足りない、期待外れ - 不明確で不明瞭
ハッキリしない、わかりづらい - 理解不能
理解できない、論理が破綻している - 高負荷
読みづらい、見づらい、わかりづらい、大変 - 面倒
読むのが面倒、やる気が出ない - ワクワク感の欠如
面白くない、ワクワクしない、素敵じゃない - 価値観の相違
自分に合わない、好みではない - モラルや倫理に反する
許せない、軽蔑する - メリットがない
自分にとってのメリットが感じられない - 値段に見合わない
高すぎる、そんな価値はない
不信感、説明不足、情報の欠如、論理的でない文章などなど・・・、納得感を阻害する原因は多くあります。
説得とは、上記のような納得感を阻害する原因を極限までつぶしたうえで、相手がお得に感じる情報を渡す行為です。
そしてそのために必要な準備として「ロールプレイ」があります。
2.ロールプレイをしながら、納得感につながる伝え方を探る
相手を説得し納得感をおぼえてもらうためには、相手はどんな情報に対してお得感をおぼえるのかといったシミュレーションが必要です。
そこで重要となるのが、相手の立場をロールプレイすること。
ロールプレイとは「ロール(役)」を「プレイ(演じる)」することを表す言葉。
文章を書く際は、読者の立場に立って文章を読んでみて「この文章を読むと相手はどう思うか?」を考え抜くことが大切なのです。
そして私がオススメするロールプレイの方法は、読者の反応や相づちを「台詞」として声に出すことです。
たとえば以下のスライドは、私がある記事を作成する際に実施したロールプレイの一例です。
上記のように、1文1文に対して、読者の反応や相づちを声に出してみます。
そうすれば、自分の文章を客観視したうえで「この内容はお得感がある」「この内容はお得感が足りない」といった評価をくだせるようになります。
この反応や相づちを声に出すという行為は、一見滑稽に思われるかもしれません。
ですが、読者の反応をシミュレーションするうえでは、とても重要な行為です。
なぜなら、読者はあらゆる文章と心の中で無言の対話をしている、という事実があるからです。
そう、私たちは何かの文章に触れているとき、その文章と疑似的な対話をおこなっています。
文章の内容にうなずいたり、驚いたり、感動したり、ツッコミを入れたり・・・。
つまり、文章を書くという行為は、読者に向けた一方的な発信のように見えて、実は読者との双方向のコミュニケーションであるともいえます。
読者の反応や相づちを考えやすい文章とは、読者とのコミュニケーションが密におこなわれやすい文章です。
コミュニケーションが密であればあるほど、その文章で伝えたい情報が伝わりやすくなります。
よって文章を書く際は、1文1文に対して、読者からのどれだけの反応が考えられるかを想像するようにしましょう。
ロールプレイをする際は、想定読者のペルソナを考える
また、ロールプレイをする際は、想定読者の人物像(ペルソナ)を立てることも大切です。
相手がどんな人なのかを想像できないと、そもそも演じることはできません。
そこでオススメしたいのが、以下の表のような軸で読者を想像することです。
読者はどんなニーズをもっているのか、どんな前提知識をもっているのか、さらにはどんな言葉なら理解できるのかといったことを考え、想定読者の当たり(ペルソナ)をつけましょう。
ペルソナを考える際に意識したい相手の情報
- 顕在ニーズ
相手がすぐにでも解決したいと思っている課題は何か? - 潜在ニーズ
相手が気づいていない、本質的に解決すべき課題は何か? - 関心事
相手の関心事は何か? - 立場
相手の社会的立場を考えた際、受け入れられる提案は何か?
(たとえば、現場の要望はわかるが、株主の意見を踏まえると、許容できないなど) - 視点
相手はどこに注目するか? - 前提知識
相手が保有している前提知識は何か? - 経験
相手が経験していることは何か? - 言語レベル
相手が理解できる言葉や表現は何か? - コミュニケーションスタイル
相手はどんなコミュニケーションを好むか?
理性的?情緒的?文章?静止画?動画?音声? - 価値観
相手の価値観は?相手が好きなモノやコトは何か? - 情報源
相手の情報源はどこか? - 敬意対象
相手が信頼している人は誰か?
相手が敬意を払っている対象は誰か? - 状況やタイミング
相手にとって都合のよいタイミングはいつか? - 場所や環境
相手の場所や環境に合わせた最適なコミュニケーションは何か? - 感情
相手の感情はどんな状態か?モチベーションはどんな状態か?
また、ロールプレイをする際は「バイアス(偏り・先入観)」の存在も意識しましょう。
私たちの脳には、思考の負荷を少しでも下げようとする仕組みがあり、その仕組みが私たちの意思決定に大きな影響を与えます。
「バイアス(偏り・先入観)」には様々な種類がありますが、以下の代表的なものを押さえておけばよいでしょう。
私たちの思考に存在するバイアス(偏り・先入観)
- 利用可能性ヒューリスティック
記憶している情報などに頼って、思考や意思決定をしてしまう
「このニュースはよく見るから、きっと大事なのだろう」 - 代表性ヒューリスティック
そのモノが属するカテゴリの代表的な事象に基づいて、思考や意思決定をしてしまう
「可愛いイラストが入っているから、きっと読みやすいだろう」 - 希少性バイアス
希少な物事を重視してしまう
「この情報はレアらしいから、しっかり聞いておこう」 - 確証バイアス
自分の信念や仮説に近い情報を優先的に評価してしまう
「自分はこの人の本のファンだから、(この本の)著者は良い人に違いない」 - ハロー効果
ひとつの特長が、その他の特性の印象につながってしまう
「彼はとてもハンサムだから、仕事も上手くこなすのだろう」 - 権威バイアス
権威ある人々や専門家の意見を過度に重視してしまう
「この専門家が言っているなら、間違いない」 - 同調性バイアス
周囲の意見や行動に合わせようとしてしまう
「皆がそれを評価しているのなら、私も好きになろう」 - アンカリング
最初に得られた情報(アンカー)が、後続の判断や評価に影響してしまう
「最初にすごく面白いセミナーを受けたから、他のセミナーは比較的物足りなく感じる」 - 損失回避バイアス
損失を回避することを優先してしまう
「期間限定のセール中に買うと30%オフなら、セール中に買わないと損をする」 - サンクコスト/コンコルド効果
投資した予算や時間を過度に評価してしまい、撤退時期を見失う
「ここまで予算(時間)などのリソースをかけたのだから、ここで止めるのはもったいない」 - 選択のパラドックス
選択肢が多すぎると、意思決定を下すのが難しくなる
「選択肢が多いのはありがたいけれど、選びきれないよ」
たとえば、「希少性バイアス」を意識するなら、伝えようとしている情報がいかにレアかを伝えるとよいでしょう。
「ハロー効果」や「アンカリング」を意識するなら、第一印象を徹底的に良くしておくことが重要です。
逆をいえば、レアな情報や第一印象の良い情報があれば、人は価値を感じやすいということです。
ロールプレイする際は、上記のようなバイアスの存在を意識しながら、読者の反応をシミュレーションしましょう。
ロールプレイでは「本音」を台詞化する
繰り返し言いますが、ロールプレイをする際に重要なのは、読者の気持ちを台詞として声に出すことです。
その際に意識してほしいのが、読者の「本音」を台詞にすることです。
「これ、めっちゃわかりやすい!」「ここ、わけわからん!」「読むのが面倒くさい!」というように、読者の本音を表現した台詞を積極的に用いてください。
また可能であれば、ロールプレイ時は「関西弁」を用いることをオススメします。
「これはあかんわ」「めっちゃおもろいやん」「マジか~、そんなこと知らんかったわ」というように、関西弁を使えば、読者の感情を台詞化しやすくなります。
関西弁は吉本の芸人さんがよく使っているため、バラエティ番組に馴染みのある人なら発言しやすいでしょう。
もし関西弁を使うことに抵抗がある場合は、自分にとって馴染みのある「方言」を使ってもらっても構いません。
ロールプレイで重要なのは、自然体を意識して、格好つけないことです。
読者が本音で何を思っているのかを、できるかぎりストレートな台詞にすることが重要です。
ロールプレイに初めて取り組む際は、気恥ずかしさをおぼえるかもしれません。
しかし、恥ずかしいのは最初だけ。
恥ずかしさを払拭して、思い切って読者の気持ちになりきりましょう。
また、ロールプレイ時に台詞がなかなか思いつかないという人は、読者が抱えるであろう感情を日常的にインプットしてください。
たとえば映画やマンガやドラマなどを観て、さまざまな人の感情に触れたり、Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトや掲示板といった、人の本音が集まるWebサービスを頻繁に覗いてみたりすることをオススメします。
断言しますが、ビジネス向け文章作成の極意は、ロールプレイにあると言っても過言ではありません。
ロールプレイが上手くなれば、読者の気持ちを想像しやすくなり、説得力のある文章を書きやすくなります。
ロールプレイのトレーニングに興味があるのなら、ぜひ以下のワークショップも試してみてください。
以下のワークショップは私のセミナーでよくおこなうもので、私が書いた記事を題材にロールプレイしてみようというものです。
ロールプレイのワークショップ
あなたは編集プロダクションに勤める新人のライターです。
上司から「君の書く文章は表記揺れが多い」と言われ、自分の表記揺れを防ぐための方法について探すことにしました。
そこで、Googleで「表記揺れ」と検索し、以下の記事に辿り着きました。
表記揺れとは?15パターンのよくある表記揺れと、そのチェック方法
そのライターさんが上記の記事を見つけて読んだ際、どんな反応をするか、できるだけたくさんの台詞に変換してロールプレイしてみましょう。
また、ロールプレイをする際は、実際にGoogleで「表記揺れ」と検索するところから始め、上記の記事に辿り着く流れから演じてください。
以下は私が実際にロールプレイを試してみた動画です。
どんなふうにロールプレイをすればよいかの参考にしてください。
(サンプル動画ということもあり、結構な早口で恐縮です(^^;))
ちなみに上記の記事は現在、 「表記揺れ」というワードでGoogle検索すると、1~3位にランクイン(※)しています。(※2023年7月時点)
それだけの高い検索順位にランクインできているのは、「表記揺れ」と検索するユーザーにとって、この記事の説得力が高いからに他なりません。
言い方を変えれば、この記事は多くの人に「お得感」をおぼえてもらい、納得感を積み上げている。
だからこそ、検索結果で上位表示しているのです。
3.説得力の高い文章に必要な【11の要素】と【4つのテクニック】
ロールプレイを実施すると、説得力の高い文章に必要な要素は何かを次第につかめるようになります。
せっかくですので、ここでは、私が過去ロールプレイを重ねてきた中で体系化した、説得力の高い文章に必要な11の要素をご紹介します。
以下の11の要素を意識的に文章に取り入れることで、説得力の高い文章に近づきます。
- ロジカル
論理的であるから(筋が通っているから) - 理解の容易性
具体的であるから、把握しやすいから、平易であるから - エモーショナル
共感できるから、今の自分の感情と合っているから、感動したから - 信頼性がある
信頼できるから、信用できるから - 尊重されている
自分の立場や意見を尊重してくれるから - 深い関係性
自分を深く理解してくれている立場からの主張や意見だから - 利益と実用性
自分にとって明確な利益を感じられたから、実際に活用できると判断したから - 新たな気付きがある
自分にとって価値ある新たな気付きを得たから - 信念や価値観との合致
自分の信念や価値観と合っているから - 前提知識との関連性
自分のもっている前提知識に関連しているから - タイミングや環境の良さ
自分のペースやフィールドで思考や意思決定ができるから
ロジカルな文章を書けばなぜ説得力が高くなるかというと、論理的に理解しやすい=知識を得やすいからです。
また、エモーショナルな文章は、読者の心が温かさを得たり、興奮を得たりすることにつながります。
さらには、前提知識との関連性は、相手が「既に保有している知識を活用する機会」を得たということでもあります。
つまり、上記の11の要素はすべて、相手が何かを得る=「お得感」をおぼえるものといえるのです。
ここからは上記の11の要素を組み合わせて、説得力の高い文章を書くテクニックを4つご紹介します。
【テクニック1】
その情報を何に活かせるのかの「活用提案」や「事例紹介」を織り交ぜる
相手に伝える情報について、その情報を何に活かせてどんなメリットが得られるのか?を具体的に伝えることでお得感を高めることができます。
たとえば、「今回の記事で取り上げているノウハウは、ビジネスの現場における文章作成だけでなく、営業トークやプレゼンテーションにも使えるほか、社内外の人たちとの円滑なコミュニケーションにも使えます・・・」というように、その情報の使いどころと効果がわかれば、その情報から得られるお得感を想像しやすくなります。
企業サイトに「顧客事例」を増やすことで売上が伸びやすいのは、その企業の製品やサービスを活用することでどんな成果が得られるのかが伝わりやすいからです。
よって、製品やサービスの事例情報を扱う際は、単に情報を伝えるだけでなく、その製品やサービスを何に活かせてどんなメリットが得られるのか?までを具体的に伝えるようにしましょう。
またその際は、得られるメリットが相手のニーズや願望と合致していることが望ましいです。
ちなみに私の会社ウェブライダーでは、世の中に存在する「価値基準」をできるだけ言語化した「言葉のリスト」を保有しており、Webコンサルティングにてこのシートを用いながら、お客さまの製品やサービスの説得力のある訴求文を考えています。
その製品やサービスを使うことでどんな価値を享受できるか?を詳細に言語化しておくことで、あらゆるWebマーケティングがスムーズに進みます。
弊社のWebコンサルティングでは、お客さまと一緒に「説得力のある訴求文」を考えるワークショップを実施するため、とても盛り上がります。
【テクニック2】
「たとえ話」を上手く織り交ぜる
「たとえ話」を使うことで、お得感は劇的にアップします。
なぜなら、相手が過去に体験したことの価値を引き上げることができるからです。
相手が過去に体験し、今も覚えている記憶を私は「体験記憶」と呼んでいます。
この体験記憶に乗っかる形で「たとえ話」をつくれば、相手は大きなお得感をおぼえてくれやすいのです。
オススメは、相手の人生における楽しい思い出を使ってたとえ話を作ることです。
とくにマンガやゲームなどの思い出に乗っかってみるとよいでしょう。
「休み時間に遊んだサッカー風に言うと~」「ドラクエ3で言うと~」「スーパーマリオで言うところの~」といった形で「たとえ話」を組み立てます。
そうすると、読者は過去に楽しんだコンテンツや出来事を再活用できると感じ、ワクワクするのです。
とくに「昔、ゲームばかりしていたけど、あれだけ遊んだゲームの知識って今役立ってないなあ・・・」というように、楽しかった記憶をある種の黒歴史と思っているような読者ほど、「そうか!あのゲームをやっていたから、このたとえ話の面白さがわかるのか!ゲームをやってて良かった!黒歴史なんかじゃなかったんだ!」とポジティブな気持ちになれます。
テレビでよく見かける芸人さんは、視聴者が公に自慢できないような歴史をポジティブに活用するのが上手です。
だからファンの心をつかんで離さないのですね。
たとえば私は以前、マーケティングの知識をドラゴンクエストに登場する武器屋にたとえて解説する記事を書いたところ、はてなブックマーク数が150を超えるスマッシュヒットを記録しました。
たとえ話を用いた成功事例として、よかったらご一読ください。
(ただし、ドラゴンクエストを遊んだことがない人には、何が面白いかわかってもらえないと思います)
なぜ、ドラクエの武器屋はあれほど強いアイテムを売っているのに、しがない商売を続けたのか?
【テクニック3】
課題解決につながる情報だけでなく、未知のワクワクにつながる情報を伝える
文章を書く際、相手の課題を解決しようと意気込みすぎると、逆に説得力が弱くなる場合があります。
というのも、課題解決を目的とした文章の場合、相手の課題がどういったものかを詳細に理解できていないと、「私が困っているのはそこじゃないんだよなあ」「あまり私のことを理解できていないよね」といったネガティブな反応をもたれてしまいやすいからです。
もちろん、ビジネスの現場における文章作成の多くは、相手の何らかの課題解決を目的としています。
よって、課題解決につながる内容を扱わないわけにはいきません。
そこでオススメしたいのが、課題解決につながる情報とセットにして、相手に未知のワクワクを感じてもらう情報を提供することです。
ショッピングをしている際、素敵な服を見つけたら、とくに必要ではないけれど買いたくなったという経験があると思います。
読者にあの感覚を得てもらうのです。
ワクワクを誘発するには、相手の興味のある分野にて、相手がまだ知らない情報を提供するか、あなた自身がワクワクしているという姿を文章を通して伝えることが大事です。
私たちの脳には、他者への共感を生む「ミラーニューロン」、別名「物まね細胞」と呼ばれる神経細胞があるといわれています。
この細胞は、近くにいる人が喜んでいれば自分もうれしくなり、悲しんでいれば自分も悲しい気持ちになるという、共感発生装置となっています。
たとえば、テレビの通販番組では、会場にいる人たちの「おお~!」「すごい!」と感嘆している表情を映す場合がありますが、あれはテレビを観ている人たちにもワクワクしてもらおうという意図の演出です。
実際、会場にいる人たちの高揚感が商品の売上にもつながります。
つまり、あなたがワクワクして何かを語ることで、読者にもそのワクワクは伝わるのです。
ミラーニューロンは、1996年、イタリアの脳科学者によって発見された。
一部では「DNAの二重螺旋構造の発見以来の最大の科学的発見」と叫ばれ、僕も何度となく話題にしたので、ご存じの方も多いかもしれない。ミラーニューロンとはその名(ミラー、鏡)の通り、他者の行動を見て、自分が行動したかのように脳内で反応する神経細胞のことを言う。
例えば、目の前の相手が、手を伸ばして何かをつかもうとしているとしよう。
それを見たとき、自身の脳内でも、まるである種の共鳴のように、自分が手を伸ばして何かをつかもうとするときと同じ信号を出している。赤ちゃんに舌を出すとマネをするのは、こうしたミラーニューロンの機能によるものだと考えられている。
引用元:「人の気持ちが分からないのは、心が冷たいからではない」脳科学者がそう断言する理由 | PRESIDENT Online
ここで、私がミラーニューロンの存在を感じた、ある出来事について共有させてください。
私はVoicyという音声メディアにて番組をもっており、ある配信回にて、いかに『五等分の花嫁』というマンガが素晴らしいかをワクワクしながら話したことがありました。
すると、その番組を聴いたリスナーの中から、そのマンガを購入した人が続出したのです。
全巻一気に購入したリスナーも現れ、私は驚きました。
第26回「五等分の花嫁がマネジメントの観点で素晴らしすぎた」
驚いた理由は、私はただ自分が好きなマンガについて熱く語っていただけで、とくにセールスをしていなかったからです。
これはすなわち、『五等分の花嫁』を読んだほうがお得だと、多くのリスナーの方々に納得してもらえたということでしょう。
もちろん、あらかじめ、私という人物の人となりを知ってくださっている方が多かったという理由もあります。
お得感をおぼえるには前提条件が必要です。
普段ほかの商品を滅多に褒めない私が珍しく褒めていた、という文脈も、納得感につながったのだろうと思われます。
どんな放送内容だったかは実際に聞いてみていただくとして、ワクワク感は人を動かすという事実をあらためて体験した出来事でした。
【テクニック4】
話者の情報のうち「信頼」「共感」につながる情報をしっかりと伝える
説得力を高めるには、何を言うかよりも「誰」が言うかが重要となる場合があります。
よって、相手からの信頼や共感につながりそうなプロフィール情報があれば、しっかりと伝えましょう。
たとえば今回の記事の冒頭で、私は自分のプロフィールや実績をまとめたスライドを1枚挿入しました。
あれはまさに、私のことを知らない人から信頼を得ることを意識したアプローチです。
ここまで、説得力の高い文章を書くためのテクニックについて取り上げてきました。
続いては「マクロな視点」と「ミクロな視点」という2つの視点について取り上げます。
実は説得力の高い文章作成に大切なのは、文章全体を読んでもらうというマクロな視点だけでなく、文章の一部だけを読んでもらうというミクロな視点も必要になるのです。
4.「マクロな視点」と「ミクロな視点」、双方の視点で納得してもらえる文章を書く
「マクロな視点」と「ミクロな視点」とはカンタンに言えば、 「文章全体を読んでもらう視点」と 「文章の一部だけを読んでもらう視点」を指します。
実は私たちは、文章の全体ではなく、一部分だけでその文章を評価する場合があります。
とくにWebコンテンツの読者は、自分が読みたい場所から記事や文章を読み進める場合があります。
あなたも、急いで調べ物をしているときに、自分が欲しい答えが書かれている場所を探したことがあるでしょう。
この事実を文章作成に当てはめるのなら、文章を書く際は、文章全体で納得してもらわなくても、部分的な内容で納得してもらえればよいということになります。
もちろん理想は、記事の最初から最後まで丁寧に読んでもらうことです。
ですが、このご時世、タイムパフォーマンスという言葉があるように、記事を最初から最後までじっくり時間をかけて読んでくれる人は少なくなっています。
よって、飛ばし読みをされても、お得感が伝わるような構成を意識しておいたほうがよいのです。
記事の一部分を読み、その記事全体を貫く主張に興味をもったユーザーは、あらためて最初から最後までじっくり読んでくれるかもしれません。
相手を説得する文章に必要なのは、まずは相手を少しずつ説得し、相手の中に納得感を積み重ねていくことです。
積み重なった納得感はやがて大きな納得感へと変わり、相手の行動や意思決定を誘発します。
逆にいえば、部分的に納得できない内容が多いと、全体的に納得感のない文章だと思われてしまいます。
よって繰り返し言いますが、文章を書く際には、納得感につながるエリアを増やすという方針で書くことが大切です。
読者がポジティブに反応してくれるエリアが増えれば増えるほど、文章全体での納得感は高まります。
ロールプレイ時には、自分の書いた文章に対して、読者がどれだけのポジティブな反応をするかをシミュレーションしましょう。
そして、ポジティブな反応エリアが少ないと感じるのであれば、増やしてみましょう。
この考え方は、いわゆるランディングページの作成などにも活かせます。
ランディングページは上から下まで順番に読んでもらうのが理想かもしれませんが、前述のとおり、ユーザーは自分が好きな場所から読み始める場合があります。
よって、リソースの関係でトータルで納得感をもたせるのが難しい場合は、とくにユーザーの関心が高そうなエリアを重点的に、納得感を高めるとよいと知っておいてください。
全体の主張(マクロな視点)と部分的な主張(ミクロな視点)という2つの視点を常にもっておきましょう。
5.読者の解釈に委ねる勇気をもつ
説得力の高い文章を書こうとすると、どうしても情報が多くなったり、長い文章になってしまうことがあります。
そうなってしまうと、「情報が多すぎて疲れる」「読むのが大変そう」といった印象を与えてしまい、結局文章が読まれなくなってしまいます。
そんなときは、文章で伝えることに固執せず、積極的に写真や図解などのビジュアル要素を用いましょう。
たとえば、文賢の製品ページは、以下のように人物写真を大きく使用しています。
これは、製品の誠実さを伝えたいという意図によるものです。
誠実さは人に紐付きますから、文章で長々と説明するよりも人物写真を用いたほうが、誠実な印象を感じてもらいやすい場合があります。
ワクワク感を伝えたいときにも、ビジュアル要素は力を発揮します。
以下は私の会社ウェブライダーが制作させていただいた、ブライダルイベントのランディングページの一例です。
有名なことわざに「1枚の絵は千語に値する(A picture is worth a thousand words)」という言葉があります。
これは、1,000文字の文章で語るより、1枚の画像を見せたほうが早い場合があるという意味です。
言葉では伝えづらい「お得感」は、写真や図解などのビジュアル要素を用いることで伝えましょう。
そもそも文章はあくまでも、相手に情報を伝えるコミュニケーション手段のひとつに過ぎません。
大切なのは相手に「お得感」を感じてもらい、納得してもらうことです。
場合によっては、動画やマンガ、さらには音声などを活用したほうがよいときもあるでしょう。
ビジネスの現場で文章を書くときほど、文章以外の選択肢を忘れてしまわないよう注意しましょう。
また、私たちはあらゆる物事を自分たちなりに独自に解釈しています。
どんな情報も、各人の解釈を経て、インプットされていきます。
よって、情報を伝える際は、相手が解釈・思考できる余白を残しておくことも、相手の納得感を高めるうえで重要といえるでしょう。
下手にロジックをガチガチに固めすぎると、相手の解釈する余白がなくなってしまい、かえって反発を受ける場合があります。
結局のところ、読者は、他者に説得させられるというより、自分で自分を説得し、自ら納得感をつくりあげているのです。
つまり、説得力の高い文章作成とは、読者が 「自分で自分を説得し、納得感を得る手伝いをするための文章」といえます。
少し抽象的な話になってしまいましたが、説得力の高い文章を書くうえで大切にしたい考え方のひとつなので、ぜひおぼえておいてください。
6.プレゼンテーションが上手い人は、説得力の高い文章を書くための土台ができている
冒頭で私は「ビジネスで求められる文章とは、説得力のある提案文である」といいました。
ビジネスで書かれる文章は、そのほとんどが、他者に何らかの行動を提案するために書かれるものです。
商品の訴求文には「この商品を買ってみませんか?」という購買提案が隠れていますし、顧客のクレームに対するメール文も「これくらいでご容赦いただけませんか?」という提案が隠れています。
つまり、ビジネスの現場で書かれる文章は、ある種のプレゼンテーションだといえます。
そのため、プレゼンテーションが上手い人には、説得力のある文章を書くのが上手い人が多いのです。
社内会議での発表や、顧客への提案営業に至るまで、プレゼンテーションと呼べる機会は多くあります。
そういった機会で他者に何らかの行動提案をおこなうことを数多く経験しているからこそ、ビジネスで求められる文章に必要な説得力のある提案が得意なのでしょう。
よって、プレゼンテーションの経験が少ない人は、ぜひプレゼンテーションに積極的にチャレンジしましょう。
これまでご紹介してきたノウハウは、プレゼンテーションをする際にも役立ちます。
相手の満足を得られるプレゼンテーションができるようになれば、そのノウハウを文章作成に活かせばいいだけです。
ビジネスにおける文章とは、まさにプレゼンテーションの内容が文章の形になったものともいえるのです。
相手の期待値を上げすぎず、誠実に「お得感」を伝える
説得力の高い文章作成とは、煽動的な文章を書くことではありません。
事実とは異なる情報を伝えたり、情報を盛り過ぎたりしないようにしましょう。
商品が購入されるためには、相手の期待値を高める必要があります。
しかし、期待値を上げすぎてしまうと、購入前の期待と購入後に享受できる価値との間に乖離(かいり)が生じます。
そうなってしまうと、商品へのクレームが増えてしまい、商品の中長期的なブランド毀損(きそん)につながってしまいます。
そもそも顧客が商品の価値を享受できるのは、購入した瞬間ではなく、購入したあとに実際に商品を活用しその金額に見合った価値を感じられたときです。
顧客の期待と購入後に享受できる価値とのミスマッチが生まれないように、誠実な文章作成を意識してください。
今回の記事のノウハウを使えば、顧客を煽ったりムリに背伸びをしたりしなくても、説得力のある文章は十分に書けるはずです。
たとえば、商品の長所だけでなくあえて短所を書くことでも、かえって説得力が高まる場合があります。
なぜなら「事前に短所を教えてくれて助かった」という安心感を得てもらえるからです。
短所を伝えるという誠実さや正直さも、ときには説得力につながるのだと知っておいてください。
7.AI時代だからこそ、説得力の高い文章作成スキルがますます求められる
ChatGPTをはじめとした生成系AIによるコンテンツ作成が加速しています。
この記事をお読みのライターさんの中には、AIに仕事を奪われるのではないかと戦々恐々としている方も多いでしょう。
しかし安心してください。
今回の記事の内容を踏まえれば、AIに仕事が奪われるなんてことはないといえます。
なぜなら、AIには以下の2つの制約があり、その制約が原因で説得力のある文章作成に支障が出るからです。
- 文章を届ける相手の情報を詳細に理解するためには、相手に関する情報が必要になる
- 人と人の関係性における「距離感」や「温度感」を推し量るのが苦手
「1」については、読者のペルソナの作成もAIでまかなえるという考え方もあります。
しかし、読者のペルソナをAIが言語化するには、読者の状況や環境といった情報が必要になります。
それらの情報をAIが自動で取得していればよいのですが、個人情報保護の観点などから、詳細な情報取得は難しいと思われます。
また、そもそも読者の性格や価値観といった情報は、読者と面と向かわなければ得られません。
つまり、読者とのコミュニケーションを経る中で、読者の情報をより解像度高く理解できるわけです。
そして、そういう人間的なコミュニケーションこそ、人間にしかできないと私は考えます。
人間という言葉は「人」と「人」との「間」と書きます。
私たち人間が得意なのは、人と人との関係性の中にある情報を察する力です。
そしてそれらの情報はすべて言語化できるものではなく、
ニュアンスとして存在するものも多くあるのです。
そのニュアンスを汲み取れないと、真の意味で相手にとってお得感のある文章は書けません。
結局、人間の気持ちは人間でないと感じ取れないのです。
私はそう考えています。
ただし、AIにはAIの良さがあります。
無数の表現を提案してくれますし、何よりも24時間365日働き続けてくれる点はありがたいです。
AIを用いる際は、先のような事実と向き合いながら、AIならではの良さを活かして使うようにしましょう。
かく言う私もChatGPTを仕事で積極的に用いています。
結局のところ、文章作成もプレゼンテーションも人対人とのコミュニケーションです。
安易にAIに他者とのコミュニケーションを委ねず、人の本音と向き合い続ける覚悟をもつことこそが、ビジネスで文章を書き続ける者としての矜持(きょうじ)となるのではないでしょうか。
人の心は複雑です。
よって、理解することはできません。
しかし、寄り添うことはできる。
文章を書く前に人の心に寄り添い、少しでも読み解く努力をする。
そう、文章作成においては、書くよりも「相手の心を読む」ことこそが重要なのかもしれません。
この記事のまとめ
この記事には説得力はあったでしょうか。
少しでも多くの方に納得していただける内容になっていれば幸いです。
そして、この記事をお読みいただいた方には、相手を説得することを怖がらず、説得とは相手にとっての「お得感」を第一に考える「相手ファーストの行動」だと覚えておいていただけると幸いです。
最後に、今回ご紹介したノウハウを7つのフレーズにまとめて取り上げておきます。
- 相手にとってのお得感を高めよう
- 相手になりきり、ロールプレイしよう
- 相手の思考バイアスも意識しよう
- 相手の体験記憶を活用する「たとえ話」を用いよう
- 課題解決だけでなく、未知のワクワクも伝えよう
- 全体だけでなく、部分的な納得感も意識しよう
- 長々と語るより、ビジュアル要素の利用も検討しよう
また、今回の記事で使用したスライド資料は以下のリンクからダウンロードしていただけます。
この記事の内容を思い出してもらいやすよう、ぜひダウンロードしてください。
Acrobat オンラインツールで、説得力の高いPDF資料をつくろう
さて今回の記事は、アドビさんの 「みんなの資料作成」という企画に参加して書いています。
資料作成ツールといえば「Acrobat」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
Microsoft PowerPointやWordでつくったスライドやドキュメントをPDF化する際に無くてはならないアプリ、それがAcrobat。
そのAcrobatが実はオフラインだけでなく、オンラインでも使えるって知っていましたか?
Acrobatのアプリケーションはよく使うけれど、オンライン版の存在を知らなかった、そんな人はとても多いと思います。
実はこのオンライン版のAcrobatがとても役に立つのです。
私は習慣として、業務で資料を作った際は、それらの資料を一旦PDFに変換し、スマホやタブレットなどの端末で開いて見るようにしています。
スマホやタブレット端末で見ることによって、一呼吸置いて資料の確認ができるだけでなく、普段のPCでは気付けないような改善点に気付けます。
そこでオススメしたいのが、Acrobat オンラインツールで用意されている「PDF変換機能」です。
この機能を用いれば、PowerPointやWordさらにはExcelで作られた資料を、オンライン上でカンタンにPDF変換できます。
しかも、アドビ社が提供しているツールはセキュリティ対策も万全。
さらには、ページの順番の並び替えや内容の編集までできてしまいます。
アプリケーションのインストール無しに、オンライン上でカンタンに操作できるため、PCだけでなくスマホやタブレットからも使えます。
上記で紹介した以外にも、パスワードをかける機能や、PDFをWordなどに逆変換する機能もあり、すべて合わせると20以上の機能が用意されています。
(基本無料で使えますが、無料で使える回数に制限がある機能もあります。ただし、Adobe CCや有料のAcrobatを契約している方であれば、すべて追加料金なしで使えます)
Acrobat オンラインツールはまさに説得力の高い資料作成に欠かせないツール。
ぜひ使ってみてくださいね。
Adobe Acrobat オンラインツールはここからすぐに使えます
Acrobat オンラインツールの使い方はこの記事にまとまっています
(はじめてのAdobe Acrobat オンラインツール完全ガイド)
お相手は、文章作成アドバイスツール「文賢」を手がける、株式会社ウェブライダー代表の松尾でした。
この記事が多くのビジネスパーソンの方々のお役に立てると幸いです。