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「夫が断捨離に協力的ではない」という悩みへの牟田都子さんのアンサー

2020/01/10 文賢マガジン編集部 「夫が断捨離に協力的ではない」という悩みへの牟田都子さんのアンサー

「あっ、それってそう考えればいいんだ!」
世の中の悩める人たちに、言葉の紡ぎ人がアドバイスをするリレー連載「わたしのアンサー」。
第3回のゲスト回答者は、以前就職活動の悩みに答えていただいた、校正者の牟田都子(むた・さとこ)さんです。

断捨離にハマり、夫にも断捨離を勧めたい女性に対して、ご自身の体験を交えながら回答をいただきました。

相談

最近私は、断捨離の本を何冊か読み、すっかり影響を受けて、要らないモノをどんどん捨てています。
結婚3年目の夫は、どちらかというとモノをあまり捨てないタイプ。
もう使わなくなったモノや、全然着なくなった服を「思い出があるから捨てたくない」と言います。

「部屋がスッキリすると心も軽くなるよ!」と私は断捨離をすすめるのですが、「今は捨てるモノがない」と興味をもってくれません・・・。
モノが少ない暮らしの気持ちよさに目覚めた私は、夫の持ち物の多さにストレスを感じ始めています・・・。
なにか良い解決策はないでしょうか?

(20代・会社員・女性)

断捨離、始めると止まらなくなりますよね。
わかります。

でも、お連れ合いは正反対のタイプなんですね。
これまたよくわかります。
うちの夫婦も結婚当初は同じだったからです。

わたしは、読み終えた本はすぐに古本屋へ持っていく人。
夫は、人生で一度も本を手放した経験がなかった人。
新居にお互いの荷物を運び込んでみたら、夫の荷物はわたしの3倍(!)ありました。

スッキリ暮らしたいのに家族が協力してくれないって、地味にストレスがたまりますよね。
わたしも最初は夫に言い通しでした。
ものを減らしてほしい、どうして捨てないの、って。
でも、あるときから一切言うのをやめたんです。

わたしは10年近くある健康法を続けています。
その健康法を始めるきっかけになった本を読み返していたら、こんな一文に目がとまりました。

「この健康法を人に勧めたいと思ったら、まず自分が実践して下さい。すでに実践している人は、これまで以上に情熱をもって取り組んで下さい」

これって、夫に断捨離を勧めている自分にもあてはまるかも……と思ったんです。
人に勧めたいと思ったら、まず自分がやる。
ひたすら、やる。

実際、いくら言っても夫はものを減らしてくれません。
そのことでいらいらする自分もいやだったし、夫だっていい気持ちはしないはずです。

まずは自分がとことんやろうと腹をくくりました。
夫には何も言わず、自分はこれまで以上にものを減らして、整理整頓を徹底して暮らそうと。

そうしたら!
じょじょに夫が捨て始めたのです!

はじめはCDを、次は本を、洋服を、売ったり人にあげたりしてどんどん減らしていきました。
何千枚もあったCDは半分以下に、本も読んだら古本屋へ。
ファッションの傾向まで変わってきたんです。
知り合った頃は全身黒ずくめで、スタイルがいいのにそれを隠すようなだぼっとした服ばかり着ていました。
それがグレーやベージュなど明るい色でジャストサイズを選ぶようになって、髪も短くこざっぱりとしました。
昔の写真と比べるとまるで別人です。

どうしてこうなったのか考えてみると、わたしが楽しそうにしていたのがよかったのじゃないかと思います。

断捨離するたびに「気持ちいい!」「スッキリした!」と連呼していました。
実際、家も片付いていて、必要なときに必要なものがさっと出てくる。
そんな暮らしを体験するうち、知らずしらず影響されたんじゃないかと。

「ほめる」ことも意識的にしました。
「あっ、CD減らしたんだ」「本棚がずいぶんスッキリしたね」「新しく買ったその服、よく似合うよ」って、ほめに徹しました。

人を変えるのって難しいですよね。
でも、自分を変えるのは簡単です。
いますぐに始められます。

まずは自分から始めてみてはいかがでしょう。
ポイントは「気長に」「あきらめない」「期待しない」ことじゃないかと思います。
そうしてあなたがこれまで以上に生き生きと楽しそうな姿を見ていたら、お連れ合いもじっとしていられなくなるはずですよ。

回答してくれた人

牟田都子さん

牟田都子(むた・さとこ)

1977年、東京都生まれ。校正者。これまで関わった本に『本を読めなくなった人のための読書論』(若松英輔著、亜紀書房)、『ブスの自信の持ち方』(山崎ナオコーラ著、誠文堂新光社)、『ほんのちょっと当事者』(青山ゆみこ著、ミシマ社)ほか。共著に『本を贈る』(三輪舎)。

代表的な執筆作品

リレー連載「わたしのアンサー」

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