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「就活中の自己分析が難しい」という悩みへの牟田都子さんのアンサー

2020/01/10 文賢マガジン編集部 「就活中の自己分析が難しい」という悩みへの牟田都子さんのアンサー

「あっ、それってそう考えればいいんだ!」
世の中の悩める人たちに、言葉の紡ぎ人がアドバイスをするリレー連載「わたしのアンサー」。
第1回の回答者は、校正者として活躍されている牟田都子(むた・さとこ)さん。

就職活動で悩む大学生の方へ向けて、柔らかく心強い回答をいただきました。

「あっ、それってそう考えればいいんだ!」 世の中の悩める人たちに、言葉の紡ぎ人がアドバイスをするリレー連載。
相談

就職活動でいろいろ迷っている、大学生3年生です。
来年の3月から就職活動が本格的にスタートします。

僕は広告業界に就職を希望しているのですが、営業職に向いているのか、クリエイティブ職に向いているのか自分で判断ができません・・・。

学生なので仕事の向き不向きが分からないのは当然だと思いますが、就活時の自己分析をするいい方法はありますか?

(20代・大学生・男性)

お気持ちよくわかります。
わたしも就職活動のとき、同じ悩みに直面しました。

「自分は何に向いているのか」、言い換えれば「自分の天職は何か」という問いを突然つきつけられたように感じたからです。

さて、なぜ広告業界で働きたいと思ったのでしょうか。

新しいアイデアを形にするのが好きだから?
広告が好きだから?
有名人に会えそうだから?
お給料がいいから?
かならず理由があるはずですね。

まずはそれを書き出してみてはどうでしょう。
ノートとペンを持って、お気に入りのカフェなど気持ちのいい場所に行き、たっぷり時間を取って、自分にインタビューするんです。
なぜその仕事をしたいのか。自分の長所や得意なことも書き出してみます。
その「得意」や「長所」は目指す仕事にどう活かせそうでしょうか。

ひととおり書けたら、身近な尊敬する人や友人に意見を聞いてみてもいいですね。
「自分の特性をこう分析していて、こんな仕事を目指そうと考えているんだけど、どう思いますか?」って。

自分で自分を客観的に見るのって難しいです。後ろ姿は鏡に映してもなかなか見えないですよね。
そんなときは鏡のかわりに人の視線を借りるんです。
あなたがまだ気づいていないあなたの良いところを、周りの人のほうが知っているかもしれません。

ここで少しだけわたしの話をさせてください。

わたしは30歳を過ぎて校正の仕事に就く前、いくつかの職を転々としています。
どれも長続きしませんでした。中には天職と思っていた図書館の仕事もありました。
でも続かなかった。
なぜなら、向いていなかったんです。

図書館って大勢のお客さんと話す仕事なんですね。
人の好き嫌いの激しいわたしには、はっきりいっていちばん向いていない仕事でした。

いまの仕事は正反対で、一日中誰とも口をきかないことだって珍しくありません。
それでも10年以上続いているんですから、一人でこつこつやるのがたぶんわたしには向いているんです。

そして、この仕事は自分で選んだのではなく「向いていそうだから」と人に勧められて始めた仕事なのです。

自分のことがいちばんよくわかっているのは自分とは限らないという例です。

自分をよく知ることは、就職活動に限らず、住む場所やパートナーを選ぶときなど、この先いろいろな局面で必要になります。
そのたびに自分に自分のニーズを聞いてみる習慣が身についていると、かならず役に立ちます。

自分インタビューの結果、もしかしたら思っていたのとは別の道を目指すことになるかもしれません。
それでもいいんです。
就職してからだって遅くはありません。
いまどき一度も転職経験のない人なんて、少なくともわたしの周りには見当たりません。
いつだって、何歳だって新しく始めることはできます。
この道は違うなと思ったらいつでも引き返していい。
自分に嘘をつく必要なんてないんです。

まずは「自分インタビュー」を試してみてください!

回答してくれた人

牟田都子さん

牟田都子(むた・さとこ)

1977年、東京都生まれ。校正者。これまで関わった本に『本を読めなくなった人のための読書論』(若松英輔著、亜紀書房)、『ブスの自信の持ち方』(山崎ナオコーラ著、誠文堂新光社)、『ほんのちょっと当事者』(青山ゆみこ著、ミシマ社)ほか。共著に『本を贈る』(三輪舎)。

代表的な執筆作品

リレー連載「わたしのアンサー」

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