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「さ入れ言葉」の例と防ぐ方法 ~「せる」と「させる」を賢く使い分ける

2022/10/26 文賢マガジン編集部 「さ入れ言葉」の例と防ぐ方法 ~「せる」と「させる」を賢く使い分ける

この文章は文章作成アドバイスツール「文賢」で
チェックし、作成しました。

文賢マガジン編集部の森です。
今回は「さ入れ言葉」について取り上げます。

さて、あなたは以下の表現について、違和感を覚える点はありませんか。

  • 「書類を後輩に届けに行かさせます」
  • 「そのイスに座らさせてください」
  • 「今日は休まさせていただけますか」

これらは、不要な「さ」が入った「さ入れ言葉」といい、文法的に正しくない日本語です。

この記事では「さ入れ言葉」を防ぐ簡単な方法と「さ入れ言葉」になってしまう原因を解説していきます。

1.「さ入れ言葉」の例

「さ入れ言葉」とは、不要な「さ」が入り、文法的に正しくない表現のことです。

たとえば、以下のような表現が「さ入れ言葉」で、赤文字の「さ」は文法上不要です。

  • × 歩かせる → ○ 歩かせる
  • × 行かせる → ○ 行かせる
  • × 書かせる → ○ 書かせる

以下のような「させてもらう」「させてください」「させていただく」を用いた表現も、正しく使わないと「さ入れ言葉」になってしまう場合があります。

  • × 座らせてもらう → ○ 座らせてもらう
  • × 歌わせてください → ○ 歌わせてください
  • × 休ませていただく → ○ 休ませていただく
文賢チーム森文賢チーム森

「~させてもらう」などの表現はよく使うので、気づかないうちに「さ入れ言葉」になっているかもしれません。
誤った言葉遣いをしないように「さ入れ言葉」を防ぐ簡単な方法を紹介しますね。

2.「さ入れ言葉」を防ぐ簡単な方法

「~させる」「~させてもらう」などの表現では、不要な「さ」が入ってしまいやすいです。
「さ入れ言葉」を防ぐ簡単な方法は、以下の手順で動詞を分解して「せる/させる」を使い分けることです。

動詞の「書く」を例に用いて解説します。

手順1.まず、動詞を否定の形(~ない)にする

書く → 書かない

手順2.次に、「~ない」の一文字前の「母音」を確認する

書か(ka)ない

この場合、母音は「a(あ)」です(母音とは、a・i・u・e・oの5つを指します)。

手順3.母音が「a」か「それ以外」かによって、「せる」か「させる」かが決まる

  • A.母音が「a」の場合は「せる」を使う
  • B.母音が「a」以外の「i・u・e・o」の場合は「させる」を使う

手順4.以上を踏まえると、「書く」はAグループとなり、「せる」を使うのが正しい

【OK】書かせる
【NG】書かさせる

簡単な覚え方として、一文字前の母音が「a(あ)」のときは「せる」。
「ない」に変換することとあわせて、「ないとaseru(焦る)」と覚えておくとよいでしょう。

なお、上記手順3のBグループ(一文字前の母音が「a」以外)の動詞は「させる」を使うので、「さ」が入ることは正しいです。

「さ」が入ることが正しい例

  • 居る → 居(i)ない → 居させる
  • 受ける → 受け(ke)ける → 受けさせる
  • 来る → 来(ko)ない → 来させる
文賢チーム森文賢チーム森

なぜ「~ない」の一文字前を確認するだけで判断できるのでしょうか。
実は、「さ入れ言葉」は「動詞の活用の種類」と深い関係があるんです。

ここまでの内容でも「さ入れ言葉」を防げますが、日本語の文法を知っておくと、言葉をよりうまく扱うことができます。
文章力アップを目指す人はぜひ読み進めてください。

3.「さ入れ言葉」を防ぐための文法理解

「~ない」の一文字前の「母音」に応じて「せる/させる」を使い分けることを説明しました。

「せる」と「させる」はいずれも「使役(しえき)の助動詞」です。
「使役」とは、文法用語で「ある行為を他者にさせる(おこなわせる)」こと

以下のように、本来は助動詞「せる」を使うべきところで「させる」を使ってしまうことによって、不要な「さ」が入ってしまいます。

動詞「書く」の使役表現

助動詞「せる/させる」を混同しないためには、「動詞の活用の種類」を見分けたうえで、助動詞を正しく使い分ける必要があります。

「動詞の活用の種類」に応じて、助動詞「せる」「させる」を使い分ける

以下のように、「動詞の活用の種類」に応じて、助動詞を使い分けます。

  • 1.五段活用動詞(※):「せる」を使う
  • 2.その他の活用動詞:「させる」を使う

※正確には「サ行変格活用動詞」も1のグループですが、サ行変格活用動詞の主な動詞は「する」のみなので、ここでは省略しています

1.「五段活用動詞」には助動詞「せる」を使う

「五段活用動詞」とは、動詞の活用語尾(※)が五十音図の「あいうえお」の五つの段にわたって変化する動詞です。
※「活用語尾」とは、動詞末尾の変化する部分のこと

たとえば、動詞「書く(かく)」は以下の表のように、活用語尾が「かきくけこ」になります。
活用語尾が五段にわたるので、「歩く(あるく)」は五段活用動詞です。

活用形 活用表現
未然形 (ない)、書(う)
連用形 (ます)
終止形
連体形 (とき)
仮定形 (ば)
命令形

五段活用動詞には助動詞「せる」を使うので、「歩く」+「せる」=「歩かせる」が正しいです。

●「さ入れ言葉」を防ぐ簡単な方法と「五段活用動詞」の関係

使役の助動詞「せる/させる」は「動詞の未然形」に付けます。
「五段活用動詞」の未然形(~ない)の活用語尾は「あ段」になるので、母音は「a」です。
そのため、「さ入れ言葉」を防ぐ簡単な方法で紹介したルールでは、「動詞の活用の種類」がわからなくても、否定の形(~ない)の一文字前を確認するだけで、助動詞「せる」を使えばいいと判断できたのです。

2.「その他の活用動詞」には助動詞「させる」を使う

つづいて、動詞「受ける(うける)」を例に見ていきましょう。
活用語尾が五段にわたらないので、「受ける(うける)」は五段活用動詞ではありません。

活用形 活用表現
未然形 (ない)
連用形 (ます)
終止形 ける
連体形 ける(とき)
仮定形 けれ(ば)
命令形 けろ

五段活用動詞以外には助動詞「させる」を使うので、「受け」+「せる」=「受けせる」が正しいです。
「さ」が入ることは文法的に正しいので、「受けせる」は「さ入れ言葉」ではありません。

まとめ:「さ入れ言葉」に気をつけよう

「~させる」「~させてもらう」などの使役表現では、不要な「さ」が入ってしまいやすいので気をつけましょう。
「さ」が入ることが「誤りな場合」と「正しい場合」をすぐに区別できるよう、ルールのおさらいです。

  • 「~させる」「~させてもらう」などの使役表現で「さ入れ言葉」が発生しやすい
  • 動詞を「~ない」の形にして、「ない」の一文字前の母音が「a」の場合は「せる」を使う(「さ」は不要)
文賢チーム森文賢チーム森

それでは最後に復習しましょう。
動詞の「読む」と「教える」を使役表現にするとき、それぞれ「せる/させる」のどちらを使うでしょうか?

動詞「読む」の使役表現は?(クリックすると答えを確認できます)
「読ませる」が正しいです。
「読む」の否定の形は「読ま(ma)ない」です。
「ない」の一文字前の母音が「a」なので、助動詞「せる」を使います。
動詞「教える」の使役表現は?(クリックすると答えを確認できます)
「教えさせる」が正しいです。
「教える」の否定の形は「教え(e)ない」です。
「ない」の一文字前の母音が「a」ではないので、助動詞「させる」を使います。

文賢マガジンでは、これからも文章作成に関するコンテンツを発信していきます。
次回以降の記事もお楽しみに。

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※2022年7月現在「さ入れ表現(β版)」として提供

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チェック項目
チェックの例
話し言葉・砕けた言葉
  • 食べれる → 食べれる
  • 話してる → 話して
  • いろんな → いろいろな

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